概要
揺らぎながら変化を続ける世界と向き合う私たち
「漕法(そうほう)」とは舟を漕ぐ方法を意味する言葉。果てしない年月のなか、揺らぎながら変化を続ける瀬戸内の島々。私たちもまた日々を紡ぎ、懸命に世代を重ねていくことで自身の景色を少しずつ変えていく。
日本の現代美術の次代を担う宮永愛子、2012年刊行の初作品集「宮永愛子 なかそら-空中空-」以来7年ぶりの作品集。常温で昇華するナフタリンなどを素材に「変わりながらも存在し続ける世界」を表現する宮永愛子の大規模個展の公式図録として刊行する。瀬戸内の景色やそこで暮らしてきた人々が積み重ねる時間をテーマに、澄んだ音色を奏でる讃岐名石「サヌカイト」を素材とする新作インスタレーションの展示風景、代表シリーズ「手紙」「life」など、独自の世界観で記憶や時間や音を想起させる作品群を掲載。
・高松市美術館「宮永愛子展 漕法 MIYANAGA Aiko Rowing Style」公式図録
宮永愛子 (みやなが・あいこ)
京都市生まれ、1999年京都造形芸術大学芸術学部美術科彫刻コース卒業、2008年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。日用品をナフタリンでかたどったオブジェや、塩、陶器の貫入音や葉脈を使ったインスタレーションなど、気配の痕跡を用いて時を視覚化する作品で注目を集める。2013年「日産アートアワード」初代グランプリ受賞。主な個展に「宮永愛子:なかそら―空中空―」国立国際美術館(大阪、2012)、「みちかけの透き間」大原美術館有隣荘(岡山、2017)など。
サイズ
A4変型
2020/09/03