概要
“流行"や“社会"を無視し
“自由"や“抵抗"を動力に
“芸術"や“肉体"も超えた
別次元の美、その潮流
「装う」ことは、自発的な行為でありながら、第三者の存在や時代的価値観が影響し、そこから派生した流行に無意識にも支配されてきた歴史ともいえるでしょう。その一方、それらを無視するかのような一見奇異にもみえる異端の潮流が存在しました。本書は、それを《奇想のモード》としてスポットを当て、意識の深層を探求したシュルレアリスムとモードの接近をひとつの視座としながら、肉体という制約への挑戦、有機物への偏愛、古今東西の装いへの狂気的情熱など、テーマを多角的に設定し、常識破りの美の魅力とその創造力の源を検証します。
シュルレアリスムの作家、ダリ、マグリット、マン・レイ、デュシャン、親交のあったエルザ・スキャパレリはじめ、コンテンポラリーからはヤン・ファーブル、熊谷登喜夫、マルタン・マルジェラ、小谷元彦、串野雅也、舘鼻則孝、ザッハ・ハディドなど、アーティスト、デザイナー、建築家など多様なジャンルを横断しつつ、浮世絵から、絵画、オブジェ、写真、ドレス、帽子、靴、広告、現代アートまで、豊富な図版で展開します。
◆章
第1章:有機物への偏愛
第2章:歴史にみる奇想のモード
第3章:髪(ルビ※ヘアー)へと向かう、狂気の愛
第4章:エルザ・スキャパレッリ
第5章:シュルレアリスムとモード
裁縫とシュルレアリスム
分断化された身体
物言わぬマネキンたち
第6章:裏と表
第7章:和の奇想
第8章:ハイブリッドとモード
◆作家
ダリ
マグリット
キリコ
マン・レイ
デュシャン
アジェ
エルザ・スキャパレリ
ヤン・ファーブル
熊谷登喜夫
マルタン・マルジェラ
ハリー・ゴードン
ヴィヴィアン・ウェストウッド
ドルチェ&ガッパーナ
小谷元彦
永澤陽一
串野雅也
舘鼻則孝
ANOTHER FARM
ザッハ・ハディド
ほか
神保 京子(じんぼ きょうこ)
東京都庭園美術館学芸員
シュルレアリスムを専門とし、2019年には岡上淑子の大規模な展覧会を開催し話題を呼んだ。
サイズ
A5変型
2022/4/8